ハクサイ

 原産地は地中海沿岸地域でもともとは不結球であり、その後結球種が発生したとされる。アブラナ科だが、キャベツやブロッコリーと同種で、多くの品種が育成されている。

・作型
 60日タイプの早生品種から90~120日前後の晩生品種まであるため、収穫期間や利用を考慮して選定する。球内の黄色味が強い黄芯系の品種は消費者に好まれており、食味も良く、漬物や炒め物、サラダなど様々な用途に利用できる。日持ちが良い半結球ハクサイや重さが1㎏前後のミニハクサイもある。
 2~3月の播種では、抽苔が問題となるので晩抽性品種を選定し、育苗時の加温やや定植後の保温が必要となる。四月になれば抽苔の心配がなく直播でも栽培できる。夏播き秋冬どりの作型は、10月以降から生育に適した環境となるので品質の良いハクサイができるが、品種ごとに播種時期を厳守することが重要である。

・生理生態
 ハクサイの発芽適温は20℃前後とやや狭い。生育適温は15~20℃であるが、結球期はやや低めの方が良い。春播きは発芽から生育初期が生育適温以下となるため、花芽が分化されると植物の栄養生長は停止し葉数は増えなくなるので、ハクサイは花芽分化しない方が望ましい。
 ハクサイは種子が発芽する状態になった時から低温を感じるため種子感応型(シードバーナリゼーション)に分けられる。温度の目安は日最低気温10℃以下、平均気温15℃以下の日が一ヶ月以上続くと花芽が形成される。しかし、低温に対する感応性は品種によって異なるので、作型に適した品種を選定する。低温限界は気温が徐々に低下する夏播き栽培ではマイナス5℃以下にも耐えるが、春播き栽培ではマイナス2~3℃で低温害が発生する。耐暑性は低く、外葉発達期は30℃以上にも耐えられるが、結球開始以降に平均気温が23℃を越える日が続くと生育が停滞し、軟腐病の発生が多くなる。ただし、乾燥には強い。

・育苗
 ハクサイは種子感応型なので低温期に育苗する場合には播種後から温度を確保し、花芽分化を抑制しながら結球葉数を確保することが重要である。晩抽性の品種を用いることを前提とし、温床温度はできれば15℃程度で10℃を下回らないようにする。定植時の苗についても低温感応を遅らせるために葉枚数は7~8枚の大苗とするので、72穴セルトレイを使用して大きめの苗に育てることも効果的である。葉数7~8枚で育苗すれば目視ではわからないが、品種によっては結球に必要な葉数60枚程度が分化している。発芽後は最高25℃以上にしないように喚起を行う。
 夏播きでは128穴セルトレイで育苗し、育苗日数16~18日で本葉4枚に仕上げる。それ以上セルトレイに置いておくと活着が悪くなる。ハクサイの根は細く吸肥力は弱く、主根よりも細根が発達するので苗は老化させないようにする。

・定植
 深耕して排水良好が土壌にする。堆肥は2t/10a程度入れ、石灰は土壌診断に従い必要量を施用する。根こぶ病が出やすい圃場ではpH7.0近くに調整すると抑制効果がある。石灰の他、ホウ素の要求量も多く、FTEなどの微量要素肥料を投入するのも効果的である。表1葉夏播き栽培の中生種の施肥例を示したが、早生種では少なく晩生種では増やすなどの調整する。春播きでは基本的に元肥のみで栽培できる。肥料は全面施肥でもいいが、作条(畝内)施肥にすると定植後速やかに吸収され活着が良く、利用効率も高い。
 初夏どりで3月までに定植する場合は、定植後にビニールフィルムや不織布のトンネルで30℃くらいまで日中の気温を高め、初期生育を進める。結球開始時からは気温を徐々に低下させ、生育適温の15~20℃で推移させると良い。四月以降であれば128穴セルトレイの3~4枚苗での定植も可能だが、定植後は不織布のべた掛けをしておくと良い。二条平畝で株間35~40㎝を基準とする。
 夏播き栽培は、早生種で畝幅45㎝、通路20㎝、株間40㎝の一条植えとし、マルチ栽培は9245を使用する。ミニ系ならば密植栽培できるので9324のマルチで三条植えでもよい。マルチは低温期であればクリーンや黒、地温が高まりやすいときは白黒マルチを使用する。