トウガラシ

 トウガラシはナス科トウガラシ属でピーマンやシシトウも含めてトウガラシ類とされる。また、トウガラシはほとんどが香辛料として扱われるが、辛みや香りは多様である。

・作型
 粗放的な露地栽培が多い。3月中旬播種で定植は5月上旬となり、6月下旬~7月上旬に収穫がはじまる。完熟させて乾果用を収穫する場合は10月頃が最盛期となる。

・種子
 トウガラシ類は高温・多日照を好み、25℃~30℃が適温である。ピーマン同様15℃以下になると生育が緩慢になる。あまり高温になると着果に影響し、夜温も高くなると落花が多くなるので、盛夏期に収量が落ちやすくなる。土壌もピーマン同様、排水性と保水性が良く、pH6.0~6.5の壌土から砂壌土が適している。連作障害が出やすいので、翌年以降はイネ科やマメ科などと組み合わせて輪作する。
 花芽分化は第一花が本葉10枚程度で着生するが品種によって異なる。第一分枝節位で2~3に分枝し、その分枝は1
~2枚の葉を展開し着花する。以降は、分枝を2本伸ばし、開花を繰り返す。開花から赤熟までは50日以上かかる。

・育苗
 ピーマンと同様に行う。盛夏期までにできるだけ早く株を作ることが収量を確保する上で重要となる。そのため、直播よりも育苗して生育を進め、早めに定植を行うと増収が期待できる。トウガラシはピーマンよりもやや密植にしてもいいが、品種によって枝の張り方などが異なるので、株間は20~50㎝で調整する。畝幅は70㎝程度とし、黒やシルバーマルチを使用する。施肥は緩効性肥料を主体に窒素成分量で15㎏/10aを全量元肥で施用する。窒素が遅くまで効きすぎると未熟果が増えるので盛夏までには終えるようにする。