チンゲンサイ

 チンゲンサイとミズナはアブラナ科のツケナの一種。チンゲンサイは、中国の華中・華南地域が原産。ミズナは日本の京都原産で京菜と呼ばれている。

・作型
 ミズナは、かつて大株を鍋物や漬物に利用していたが、近年ではサラダなどの生食用途が増え、周年作付けし小株を収穫する作型主流である。
 チンゲンサイとミズナは、直播栽培が可能だが、圃場の効率的利用や低温期の抽苔防止などのため、ハウスを利用した移植栽培が行われている。また、トンネル被覆等で保温すれば露地でも厳冬期を除き栽培できる。

・生理生態
 チンゲンサイは、発芽適温と生育適温が20~25℃、最低5℃、最高25℃と適応幅が広く、播種後1~3日で発芽する。発芽直後から低温に感応する種子バーナリゼーション型で、播種から本葉5枚まで平均気温15℃以下が続くと花芽分化し、その後の長日、高温条件で抽苔する。土壌適応性の幅は広く、湿潤にも比較的強いが、乾燥で生育が遅延し、さらには高温が重なると葉のカッピングやチップバーンが起こる。また、高温により着葉株の節間伸長を起こすことがある。
 ミズナは、発芽適温と生育適温が15~25℃、最低4℃、最高35℃。播種後1~3日で発芽する。ミズナも種子バーナリゼーション型で、早生品種では平均気温15℃以下が40日、晩生品種では5℃以下が50日続くと花芽分化する。土壌適応性があり、土壌条件を選ばない。

・育苗
 播種はセルトレイに行うが、コーティング種子を用い、播種器を使うと作業が容易である。セルトレイのサイズは、チンゲンサイは288穴、ミズナは200~288穴が適当である。セルトレイに水分を含ませた育苗用土を均一に詰め、セル中央部に2~3mmの穴を空け、一粒ずつセルには播種し覆土する。発芽まで温度は20~25℃で管理する。
 発芽後は昼間15~25℃、夜間15~20℃程度の温度で管理する。その後は徒長を防ぐため光をよく当て、やや乾燥気味に管理する。育苗後半で葉が伸長してくると容量の小さいセルトレイだと乾きやすいので、高温期は特に注意する。低温期では抽苔回避のために最低夜温を13℃以上となるように保温や加温するが、日中を25~28℃と高めに管理する。季節により播種から20~40日程度、2.5~3.5枚、根鉢が形成されトレイから崩れずに引き抜けるようになったら定植期である。