エダマメ

 エダマメ(ダイズ)は中国北東部が原産地で、温度に反応して開花する夏ダイズ型(早生系)、日長が短くなることで開花する秋ダイズ系(晩生系)、さらにそれらの中間型(中生系)に分けられる。

・作型
 早春から五月播きまでは早生系か中生系が用いられ、晩生系は短日に向かう六月以降に播種される。晩生系品種を五月以前に播種すると、長日条件により花芽分化が遅れ、茎や枝が繁茂した、いわゆる「つふぼけ」になってしまう。エダマメの基本作型は早生系品種による4~5月播種の露地栽培である。

・種子
 発芽適温は25~30℃で、15℃で発芽遅延、10℃以下で発芽不良となる。発芽には多くの酸素を必要とするため、水分が多すぎて通気性が悪化すると腐敗しやすくなる。好適条件だ播種後五日で発芽する。発芽後は子葉の間から初生葉が対になって展開し、第一本葉が現れる。発芽後、温度が高いと子葉下部の胚軸(茎)がすぐに徒長してしまう。

・育苗
 直播きが基本だが低温期は育苗による移植栽培が行われる。発芽が進めば、播種後二週間で定植期となり、その後5~6週間で開花期、さらに5週間で収穫期となる。移植栽培では発芽直後の鳥害の心配が不要で、栽培期間が短縮され、草姿がコンパクトになって栽培管理や収穫作業がしやすくなるなどメリットが多い。
 苗床は、発芽までは25~30℃、夜間は15℃を目標に管理する。電熱線で地中加温する場合、根が熱線に近いと過度に伸びて移植時に植え傷みするので、直に接しないよう温床との間をとる。播種後の潅水は控えめにする。過潅水にすると酸素が不足したり、急激な吸水により種子が破裂したりして発芽が不良になる。そこで、播種面を新聞紙で覆って乾かないようにし、潅水は新聞紙の上から行うとよい。発芽後は徒長しないよう温度を下げ、光をよくあてる。

・施肥管理
 エダマメの養分吸収量は10a当たり窒素18㎏、リン9㎏、カリ2㎏程度で、窒素やリンの吸収量が多い、しかし、マメ類植物は根粒菌の働きにより、空中の窒素を利用できるため、吸収量ほどの窒素を与える必要はない。カリは水に溶けやすく流亡しやすいのでやや多めに施用する。一般に早生系品種では10a当たり、窒素5~8㎏、リン10~15㎏、カリ10~15㎏を目安にする。

・定植
 早生系品種では一般にマルチが用いられ、3~4月上中旬播種では地温を温める透明や黒マルチ、四月下旬以降は白黒マルチが適する。マルチの規格は9215(株間15㎝、条間45㎝、2条)、3415(同15㎝、45㎝、4条
)などであり、栽植密度は1万~1万4000株/10aとなる。低温期は定植の数日前にマルチを敷設し、地温を上げておく。
 定植適期は初生葉が展開した頃で、エダマメは直播きより移植栽培あるいは齢の進んだ苗ほど草丈が短くコンパクトになる。しかし、齢が進みすぎると着莢数(収量)も低下する。セルトレイの場合、生育と収量のバランス良いのは初生葉展開期の苗である。この頃には根鉢が形成されてトレイから取り出せるようになるので、そのまま定植する。地床や育苗箱から苗取りして定植する場合は、根の損傷を最小限にする。乾きやすい場合には水に浸けておく。
 なお、直播き栽培の場合、1穴3粒を、種子が隠れる程度の深さに播種して、表面を手のひらで軽く叩いて鎮圧する。発芽後、本葉が現れたら1穴1本に間引く。